核戦争によって荒廃した近未来。旧日本の東京に存在する街EDEN（エデン）は一人の女王の治める“完璧な”街であり、そこで暮らす人々は放射線を遮断する膜につつまれた、閉鎖された街において痛みや老いと無縁の100年の生を生きていた。

　街では人々は生まれながらにして3つの階級に分けられている。

　1つ、支配者階級である科学者。

　1つ、管理階級である軍人。

　1つ、労働者階級である生産者。

　彼らは互いにかかわることもなく、遺伝子に刻まれた運命に従って生きている。

                                                             

　街の管理を行う軍人―EDEN境界自衛軍第4部隊の少女アリアはある時、街の中でも廃墟と化したエリア73に迷い込む。今は使われることのなくなった過去の遺物に触れた彼女は不意に疑問を持つ。

　「この街の外は、どうなっているのだろう？」と。

そこで手にしたワープマシンによって図らずも外界（EDENの外の世界）に放り出されたアリアは、EDENの中では決して知ることのない“真実”に出会う。

 

―ヒトが住めないほど荒れ果てているとされていた外界の一部は十分に除染されていること

―そこで厳しい現実と向き合いながらも生きている人々がいること

―家族のあたたかさや愛という感情、死の痛みや苦しみ

 

　外界でたくましく暮らす人々に触れ合ううちに、アリアはEDENにおける科学で管理された生に疑問を感じる。そして新しく得た仲間たちと共に、閉ざされたEDENの境界を開放するために立ち上がる。